1.EAST ASIA
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
降りしきる雨は霞み 地平は空まで
旅人一人歩いてゆく 星をたずねて
どこにでも住む鳩のように 地を這いながら
誰とでもきっと 合わせて生きてゆくことができる
でも心は誰のもの 心はあの人のもの
大きな力にいつも従わされても
私の心は笑っている
こんな力だけで 心まで縛れはしない
※くにの名はEAST ASIA 黒い瞳のくに
むずかしくは知らない ただEAST ASIA
くにの名はEAST ASIA 黒い瞳のくに
むずかしくは知らない ただEAST ASIA※
モンスーンに抱かれて 柳は揺れる
その枝を編んだゆりかごで 悲しみ揺らそう
どこにでもゆく柳絮に姿を変えて
どんな大地でも きっと生きてゆくことができる
でも心は帰りゆく 心はあの人のもと
山より高い壁が築きあげられても
柔らかな風は 笑って越えてゆく
力だけで 心まで縛れはしない
(※くり返し)
世界の場所を教える地図は
誰でも 自分が真ん中だと言い張る
私のくにをどこかに乗せて 地球は
くすくす笑いながら 回ってゆく
くにの名はEAST ASIA 黒い瞳のくに
むずかしくは知らない ただEAST ASIA
2.やばい恋
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
閉じかけたドアから鳥が飛び込んだわ
夜のエレベーターは私一人だった
ナイフだと思ったわ ありうるわ この恋
頬をかすめて飛んだ小さな影
非常ベルが鳴り続けている 心の中ではじめから
いまさらどこでどんな人探せばいいの
隣にいてと言いたかった
私を見てと言いたかった
女々しいことを押さえきれず口に出したら終わりね
冷めたような女しか好きになんかならない
あの人にマジになってゆく やばい恋
恐ければ触れるのね次のフロアボタン
あの人は私から降りるのを待ってる
サヨナラという札を最後まで出さずに
なんとなく終わるのを狙っている
光りながら昇ってゆく ガラスのエレベーターの外で
街灯り遠ざかるあの人に似てるわ
ふられる前にふりたかった
盗られる前に捨てたかった
いつまでなんて問いつめたらその日限りで終わりね
頼み込んでいてもらう男なんかいらない
そんなふうに言えなくって泣く やばい恋
ふられる前にふりたかった
盗られる前に捨てたかった
いつまでなんて問いつめたらその日限りで終わりね
冷めたような女しか好きになんかならない
あの人にマジになってゆく やばい恋
3.浅い眠り
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
忘れないと誓ったあの日の夏は遠く
寄せて返す波にもあの日の風はいない
ああ二人で点したあの部屋のキャンドルは
光あふれる時代の中で
どこへはかなく消えていったのか
恋しさを聞かせてよ
惜しみなく聞かせてよ
他人じゃないなら なおさら なおさら
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
風の中にふるえて瞬(またた)く星のように
あやまちかもしれないと哀しく迷っていた
ああ二人気づかない 失ってみるまでは
誰が一番ほしい人なのか
何が一番つらいことなのか
恋しさはこわれもの
せつなさはこわれもの
他人じゃないなら なおさら なおさら
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
浅い眠りにさすらいながら
街はほんとは愛を叫んでいる
4.萩野原
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
なつかしい野原で遊んでる夢を見ました
何がそんなにおかしいのか 笑っていました
風の吹く野原で 髪が舞い上がっても
笑いながら走ってゆく後ろ姿
振り返ると いつのまにか後ろ姿
振り返ると あの人に変わっていて
招くように急がすように笑って 消えました
萩の咲く野原は行ったことがないのに
白く揺れる野原は まるで波のようでした
その中で私はあの人を呼んでいました
思い出せば 昔一輪もらいましたね
目をさますと 暗い部屋で泣いています
知らぬ人の腕の中で泣いています
思い出せるあの人は いつも少年です
なつかしい野原は今もあるのでしょうか
いつか私が帰ってゆく白い野原は
その中に私は 住むことができるでしょうか
何も起きない頃のように 笑うでしょうか
目をさますと 暗い部屋で泣いています
知らぬ人の腕の中で泣いています
思い出せるあの人だけは いつも少年です
5.誕生
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
ひとりでも私は生きられるけど
でもだれかとならば人生ははるかに違う
強気で強気で生きてる人ほど
些細な寂しさでつまずくものよ
呼んでも呼んでもとどかぬ恋でも
むなしい恋なんて ある筈がないと言ってよ
待っても待っても戻らぬ恋でも
無駄な月日なんてないと言ってよ
めぐり来る季節をかぞえながら
めぐり逢う命をかぞえながら
畏れながら憎みながら いつか愛を知ってゆく
泣きながら生まれる子供のように
もいちど生きるため泣いて来たのね
Remember 生まれた時だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して最初に聞いた Welcome
Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること
ふりかえるひまもなく時は流れて
帰りたい場所がまたひとつずつ消えてゆく
すがりたいだれかを失うたびに
だれかを守りたい私になるの
わかれゆく季節をかぞえながら
わかれゆく命をかぞえながら
祈りながら嘆きながら とうに愛を知っている
忘れない言葉はだれでもひとつ
たとえサヨナラでも愛してる意味
Remember 生まれた時だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して最初に聞いた Welcome
Remember けれどもしも思い出せないなら
私いつでもあなたに言う
生まれてくれて Welcome
Remember 生まれたこと
Remember 出逢ったこと
Remember 一緒に生きてたこと
そして覚えていること
6.此処じゃない何処かへ
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
拾ってきたラジカセだけが たったひとつの窓だった
教科書よりずっとはるかに 真実に聴こえたラヴソング
手当たりしだい ムカついてた
実は自分にムカついていた
追われるように街を離れて
行くあても理由(わけ)もなく 急かされる気がした
心の中で 磁石のように何処かから
絶え間なく 呼ぶ声が聴こえた
※此処じゃない 何処かへ
此処じゃない 何処かへ
此処じゃない 何処かへ※
(※くり返し)
もぐりこんだライヴハウスは 帰りも一人だったけど
握りしめたグラスの 氷溶かす何かの熱を見た
何もできない自分のこと
ずっと嫌いになりかけていた
追われるように街を離れて
行くあても理由もなく 急かされる気がした
何かになれる約束もなく
ただ風が吹くように ころがりだしたのさ
(※くり返し×4)
7.妹じゃあるまいし
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
初めて出会ったとき 不思議な気がした
鏡よりもっと似てる人を みつけた気がした
離れず暮らすことが 自然だった日々
命ある限りずっと 二人でいると思ってた
妹じゃあるまいし
別れたらそれまで
笑顔も泣き顔も
別れたらそれまで
思いもよらぬうちに 傷つけることを
どれくらいあの人に 浴びせ続けたのかしら
もしも妹になら もっと早い日に
あの人も つらくなる前に何か言えたはず
妹じゃあるまいし
ケンカなんかしない
でも その代わり二人には
サヨナラだけだった
妹じゃあるまいし
別れたらそれまで
笑顔も泣き顔も
別れたらそれまで
妹じゃあるまいし
別れたらそれまで
笑顔も泣き顔も
別れたらそれまで
8.二隻の舟
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
時は 全てを連れてゆくものらしい
なのに どうして 寂しさを置き忘れてゆくの
いくつになれば 人懐かしさを
うまく捨てられるようになるの
難しいこと望んじゃいない
有り得ないこと望んじゃいない
時よ 最後に残してくれるなら
寂しさの分だけ 愚かさをください
おまえとわたしは たとえば二隻の舟
暗い海を渡ってゆく ひとつひとつの舟
互いの姿は波に隔てられても
同じ歌を歌いながらゆく 二隻の舟
時流を泳ぐ海鳥たちは
むごい摂理をささやくばかり
いつかちぎれる絆 見たさに
高く高く高く
敢えなくわたしが 波に砕ける日には
どこかでおまえの舟が かすかにきしむだろう
それだけのことで わたしは海をゆけるよ
たとえ舫い網は切れて 嵐に飲まれても
きこえてくるよ どんな時も
おまえの悲鳴が 胸にきこえてくるよ
越えてゆけ と叫ぶ声が ゆくてを照らすよ
おまえの悲鳴が 胸にきこえてくるよ
越えてゆけ と叫ぶ声が ゆくてを照らす
難しいこと望んじゃいない
有り得ないこと望んじゃいないのに
風は強く波は高く 闇は深く 星も見えない
風は強く波は高く 暗い海は果てるともなく
風の中で波の中で たかが愛は 木の葉のように
わたしたちは二隻の舟 ひとつずつの そしてひとつの
わたしたちは二隻の舟 ひとつずつの そしてひとつの
わたしたちは二隻の舟
9.糸
作詞:中島みゆき
作曲:中島みゆき
なぜ めぐり逢うのかを
私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを
私たちは いつも知らない
どこにいたの 生きてきたの
遠い空の下 ふたつの物語
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない
なぜ 生きてゆくのかを
迷った日の跡の ささくれ
夢追いかけ走って
ころんだ日の跡の ささくれ
こんな糸が なんになるの
心許なくて ふるえてた風の中
縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない
縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます
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